TOB(株式公開買い付け)
TOBとは、Take Over Bidの略で、日本語に訳すと株式公開買い付けという意味になります。
企業の経営権の取得などを目的に、株の買い取りを希望する者が、その企業の株式の「買い付け期間」「買い取り株数」「価格」を公表して、売却を希望する不特定多数の株主から買い取る方式です。
原則としては、上場企業、未上場企業問わず一定の要件を満たす企業の株を、市場を通じないで5%以上の株を買う場合には、TOBで買い付ける必要があります。
対象となる企業から承諾を得たものを「友好的TOB」 承諾がないものを「敵対的TOB」といいます。日本では敵対的TOBはまず成功しないと言われています。
TOBのメリットとして、市場で大量に株を購入しようとする場合、必然的に株価が上昇してしまいますが、TOBは公表した買付価格で全ての株を買い取るため、資金計画が立て易くなります。
また、買付期限までに買付予定数の株式が集まらなかった場合には、株券を返却してTOBを実施しないという事も可能ですので、市場で買うのと比べるとリスクが無いといえます。
買付価格は通常、プレミアムと呼ばれる今の株価に数%~数十%上乗せした価格が提示されます。 TOBが発表された銘柄は、TOB価格に鞘寄せされるような動きを見せます。
敵対的TOBは成功しない
TOB自体は別に珍しいものではなく、友好的TOBの場合には成立する可能性も高いのですが、日本ではその企業の合意を得ずに企業を乗っ取ってしまおうとする行為には批判的な意見が多く、敵対的TOBの場合はほぼ間違いなく成立しません。
経営陣の買収対抗策としては、白馬の騎士(ホワイトナイト) と呼ばれる友好的な企業による合併や新株引受けにより、買収を回避することがあります。ライブドアによるフジテレビのTOBの際にもSBI(ソフトバンク・インベストメント)がホワイトナイトとして登場しました。
場合によっては、買収する側を買収されようとした側が、対抗的に買収するというような脅しをかけることで、買収を思い留まらせようとする戦法もあるようです。
敵対的TOB失敗例
- ドン・キホーテによるオリジン東秀へのTOB
- 製紙業界最大手の王子製紙による北越製紙へのTOB
- 投資ファンドのダヴィンチ・アドバイザーズによる不動産会社テーオーシー(TOC)へのTOB
- 米系投資ファンドのスティール・パートナーズジャパンによる明星食品へのTOB
- 米系投資ファンドのスティール・パートナーズジャパンによるブルドックソースへのTOB
日本では会社の経営権を敵対的に奪い取る事を良しとしない風潮があり、ターゲットとなった企業は、色々な手段をとって対抗します。ブルドックソースのケースでは、スティール以外の株主にのみ新株を発行するという、通常あり得ない防衛策を行い裁判となりましたが、結局ブルドック側の勝利となっています。
投資会社ケン・エンタープライズが、中古車販売業ソリッドグループホールディングス(旧ライブドアオート)に対して起こしたものは、おそらく日本企業に対する敵対的TOBの唯一の成功事例だったと思います。
個人的には友好的であれ敵対的であれ、TOBを仕掛けられるような株価で放置していた企業側に問題があると思っているのですが、たいていの日本人はそうは考えないようです。
