信用取引規制とは

信用取引規制とは、相場の行き過ぎを抑えるために、証券取引所が信用取引に対し行う規制のことです。

信用残高の急増など信用取引が過熱すると、株価の変動が激しくなり、投資家に対し予想外のリスクや損害をもたらす恐れがあるために、実施されるものです。

規制には、信用取引全体に行う全面規制と、加熱化している個別銘柄にのみ行う個別規制があります。信用取引規制は株価を冷やすのが主な目的になるので、実施されると株価に大きな影響が現れる可能性があります。

信用取引規制の種類

種別 実施元 内容
全面規制 証券取引所 全銘柄を対象に「委託保証金率の引き上げ、代用掛目の引き下げ」
個別銘柄を対象に「委託保証金率の引き上げ、日々公表銘柄の規制」
個別規制 証券金融会社 個別銘柄を対象に「新規売り・現引き停止、貸し株注意喚起、増担保」など
社内規制 証券会社 証券会社独自の判断で公的規制に先駆けて、「代用掛目の引き下げ、新規売り停止、建て玉制限」など

全面規制

全面規制では、委託保証金率が引き上げられます。通常は30%以上となっていますが、株価の過熱度にあわせ40%、50%と段階的に引き上げられます。

通常は、委託保証金は代用有価証券だけでも良いことになっていますが、50%以上の規制が発動された場合、「保証金のうち20%以上は現金」というように、委託保証金に占める現金の割合が決められます。また、代用有価証券の担保掛目の引き下げも併用されます。

ただ、全面規制は、市場全体が加熱している場合に実施されるものですので、バブル時などの特殊な場合を除き、発動されることはまずありません。

個別規制

日々公表銘柄の指定

日々公表銘柄の指定は、証券取引所が行う軽い規制措置です。信用取引による売買が過熱することを未然に防ぐために、指定した銘柄について、通常週一度の信用残高の発表を毎日行います。

注意喚起銘柄に指定

注意喚起銘柄に指定は、証券金融会社が行う軽い規制措置です。貸借取引による売買が過熱することを未然に防ぐために、貸株(信用売り)利用に関する注意喚起を行います。

増担保規制

増担保規制は、証券取引所が行う厳しい規制措置です。通常300%である委託保証金率を、50%や60%に引き上げます。最低委託保証金が、従来の30万円から50万円、60万円に引き上げられます。

貸借取引申込の制限または停止

貸借取引申込の制限または停止は、証券金融会社が行う厳しい規制措置です。新規売りの停止や現引きが制限または停止させられます。

社内規制

社内規制は、証券会社独自の判断で行なわれる規制で、「代用掛目の引き下げ、新規買い停止、新規売り停止」などがあります。

代用掛目の引き下げ

代用掛目の引き下げは、通常80%とされていますが、それを40%や0%といった具合に引き下げます。

代用掛目の引き下げは、規制する銘柄によっては、他の銘柄の株価にも影響を与える可能性があります。ライブドアショック時にマネックスが、ライブドアグループの掛目を0%にしたことで、発表後相場全体が下落する事となりました。

新規買い・新規売りの停止

新規買い停止とは、新たに信用買いを行なえないようにする為の措置です。

新規売りの停止とは、新たに信用売りを行なえないようにする為の措置で、いわゆる売り禁と呼ばれるものです。

規制の前兆

全面規制の前兆

  • 日経平均が短期間に急上昇し、1日の出来高も通常の2倍や3倍になった場合
  • 三市場信用取引残高の買い残高が発表ごとに急増している場合
  • 先に挙げた状態が続いた場合

個別規制の前兆

  • 人気がある銘柄に集中し、株価が急騰を続けるとともに信用取引の残高が急増した場合
  • 株不足や逆日歩がつくなど、信用取引が急増した場合

規制と株価変動

通常は、信用規制がかかることで、出来高が減ることになり、参加する投資家も徐々に減っていき落ち着いていきます。しかし、規制がかかったからといって必ず下げるというわけでもありません。

また、信用新規売り停止(売り禁)などの、売りに対してのみ行なわれる規制の場合、初心者は売りだけが停止されるのだから、株価は上がるのではないかと考えがちですが、実際には、その後下がることの方が多いと言えます。

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